絵作りが主観的で幻想的で、デジタルらしからず優しく、ミノルタの世界に引き込まれる色彩。ファインピクスのキャッチーなほがらかさやオリンパスのメリハリやキヤノンのポートレイト画質とは違い、普通より地味な色調。ほっと一息つける。この落ち着き具合、アディクトしない加減は工業製品には得がたい魅力。近代的に透明な色とはいえないのに透明感がある。近代的に透明なときも、もちろんある。
本当にいい色というのは、パッと見ただけではわからないもの。崇高なものほど抽象的でわかりづらい。なんかじんわりと懐かしくなったり優しくなったり。反対に、過激な思想ほどわかりやすい形をしている。いまのひとは社会不安によるところか、やたらと定義や根拠を求めて断罪している。実際には単なる防衛規制かもしれないけれど、もし本性によるところとなるとこの先医療機器のような再現性が流行ることだろう。アンプでも音楽再生とギターアンプでは音作りが違う。モニターアンプを使って妙な悦に入ってるような、そういう風潮がある。どうせ半年か一年でそれに疲れてる。科学では天気予報的な森羅万象を追うことができない。意識的なものほど機械ではうまくいかないことが多い。 |