〔デジカメご朱印帳〕



Fuji Finepix F710




ダイニングのシステム


セッティング中

 大音量で気兼ねなしに使えるダイニングルーム。ただこの部屋は寒い。響きも寒い。設置した場所などは、叩くとがつんといって頑丈。
 僕の家は木造の二階建て(築80年ぐらい)で、二階の場合は歩くと下に音が響くほどだ。自分の部屋は二階にあり、屋根裏なので天井は傾斜している。天井低めのほうがあたたかかい。骨格はやわいがあたたかかい。この部屋と正反対。ある程度やわさのある部屋の方がふっくらとするようだ。でも地震とかもうすぐ来るだろうから軽いものしか置けない。瞬間的にどれほどの重量がかかるか計算するとこわいから。本当はプレートひいてJBLの4318でも使いたいけど東海大震災様様だよまったく。







アクセサリーあわせて総額14万円。サブのやうだけど自分のメインシステム。

marantz CD-17D
Elekit TU-875
DAD-M100pro
USHER S-520-2



 プレーヤー [CD-17] marantzの音はしゃれているが国産らしく普遍的で静物的。SAのような未来的きらめきは特にないがCD-17Dは静かな趣がある。CD-17はデザイン上はずせない。目線より高い位置に置かれるのでなるべく威圧感のない薄型なのがいい。marantzはSAになってから音の傾向に合わせてブラッシングが施されている。CD-16、PM-16、CD-17、PM-17の頃はこんな感じ。
 
プリアンプ [TU-875] 管球アンプ。アナログでフランクな音。
 
パワーアンプ [DAD-M100pro] フライングモールのデジタルアンプ。相当リアルで冷たい。DAD-M1の場合は音楽用なのでシルキーなタッチも感じられる。M100proはスタジオ用なので粗まで精確に、正確なトーンで出すような鳴り方。スタジオ用とかモニター用というのは音楽を聴くには難しい傾向。本当にずっと、オーディオのことを考えさせずに鳴ってくれるのは少しでも媚のないものだけど、音楽用としてはアンプとスピーカーはそれぞれの個性で芸術の味わいを表現してくれるのが一般的。でもこのDAD-M100proはどんなスピーカーでもモニター的になってしまう。ドライブ力ありすぎる。USHERのCOMPASSはこれじゃないと鳴らなかったけど。
 
スピーカー [USHER S-520U] 恐れ多くもローカルメールオーダーの店頭に置いてあったもの。これ買う日、在庫がきれてて展示品を2万円で譲ってくれた。最後の1セット。Vにモデルチェンジしてるのでもう入荷はないみたい。欲しい人には申し訳ないけどラッキーとしか言いようがない。 ここの店の方にはほんとうに親切にしていただいて、檜木のインシュレーターまで作っていただいた。店でチェックしたら今までにないほど自然に広がりぬくもりもあって、ほんとうにうまくできたみたい。どこだったかわすれたけど上質な檜木みたい。また、伐採地によっても音が違うようだ。









 スピーカーのインシュレーターは檜木が一番みたい。実際使ってみてこれはいいと思った。位置を変えるごとに音が微妙に変わった気がするので楽しい。椅子にすわってじっと音楽を聴くのが苦手なので、すぐにいじくる。
 S-520Vは厚みはあるが1500Hzあたりで詰った感触があった。Uは自然で伸びやかで元気なのでよかった。でも若干高域が強めになるかな。全域に渡ってゴムのように伸びた感触なので悪くないけど。











 もっと芳香な味わいが欲しい・・・ということで、マッキンのプリアンプC-710買った。
 当初はこの投資でここまでの音を出した、という満足感に浸っていたけど次第にエレキットの底が見えてきた。管としてのダイナミックでフランクな音はよかったけれど。S520には強い粘り感がある。JBLとは違うけどもっちりした厚みがある。このXPPのウーファーの調べをもっと馨しくしたくなった。そこで直観的に思いついたのはMcIntosh&JBLの音。
 もちろんほかにもいくらでも選択肢はあった。C-710は物量がやや寂しいきらいはあるけれど、音色に物量もくそもない。音楽性ともいうトーンという個性は、物量で覆えるものでもない。とはわかっていてもまぁお金がないから、無理してMcIntosh買う必要性はあるのか冷静になったりもした。10歩譲ってラックストーンでもいいんじゃないのかと。C-6i(定価380000円)と迷わされた。ラックスのほうが修理費安くて安心だし物量投入やコストパフォーマンスが高いという思惑が忍び寄る。しかしマッキンの音には確信あるるけどLUXMANはイメージつかない。時代により音が変わるので当たりもあれば外れもある。あれよこれよと随分と迷ったけど結果的には本命にしておいてよかった。C710を勇気出して落札したときはあ〜ぁ高い買い物したって気分だったけど使ってみてよかった。エレクトリへ点検に出し、ボリューム交換・ランプ全交換・フロントパネルガラス交換、各部点検、動作チェックを終えて戻ってきたばかりのものとのことでこれにした。
 このアンプ使っていても、見えてはならないものがない。あやうさがない。薄型の入門モデルなので正直あまり多くのものは期待してなかったけどマッキントーンの馨しいこと馨しいこと。音色だけじゃない、シンバルはシャカシャカいうだけじゃなくちゃんとシンバルとしての生の音が出る。これが本物か・・・。小さなトライアングルの音がリスニングポイントでちゃんと気持ち良く聞こえる。ちゃんと入ってたんだ(CDの中に)・・・。ブラックのボディーとガラスの光沢、イルミネーション、電源スイッチON/OFFの感じのよさ、ノブの回し心地、トーンコントロールの質感、僕には十分すぎる。改めてすごいものを買ってしまったもんだと思った。当初のコストパフォーマンスとかマッキンは修理費が高いとか他に選択肢はなんてつまらん考えは吹っ飛んだ。おせち料理みたいなパッと見きれいな料理はパッと身綺麗な味しかしない。豪勢な料理には豪勢って感じの豊かさしかない。しかし本当においしい料理は胃袋が応える。この音にこそ満足。寒い部屋だったのにマッキンのおかげで音楽がうれしい。今度こそはオーディオについて考えないようになれそう。機材をいじくるようにはなるけど。
 (音楽再生して3分もしないうちにトーンコントロールをいじくりだす。トーンコントロールはオーディオ再生にすごく重要なファクターなんだな。インシュレーターいじりと違って操作されたままに変化するのがよい。S-520Uの高域を、トーンコントロールで少しだけ落とす。今まで主にいじくるのはボリュームとインシュレーターぐらいだった。C710にはTREBLEとBASS以外にもLOUDNESSがある。それがボリューム式。McIntoshの存在感を眺めているだけでも音楽からの有り余るエネルギーを投影さすことができる。これは愛されるわけだ。オーディオの愛好家が最後に落ち着く先はマッキントッシュだとか言われるけどわかるものがある。中古の相場が高いのはネームバリューによるものだと思って避けてた。)






 marantz CD-17D 3万弱(オーバーホールされている)
 McIntosh C-710 9万円(メーカー修理&オーバーホール)
 FlyingMole DAD-M100pro 6万弱(新品)
 USHER S-520U 2万円(展示されていたもの)
 合計20万円。(ケーブル類あわせて21万)
 プリが9万、スピーカーが2万というアンバランスっぷり















McIntosh C-710





 C710というのはC712('96)の前身モデル(外観は同じ。C712にはリモコンがついている。)。C36('91年)のようにデザインが古くもないので、'93〜'95あたりの製品のよう。ヴェストバイではC710とC712は価格のわりに健闘していた。共にMC7100(定価16万 '96年)と対になるよう想定されたもののよう。音についてはMC7100は「フットワーク軽快な音調に濃厚なマッキントッシュトーンがほんのりと加味された再生音はなかなか魅力的」(浅沼)と書かれてて中途半端な印象だけどC712は芳醇なマッキントッシュサウンドが味わえるとのこと。C710は「独特のバタ臭い雰囲気をもったムードのよさがあり、それをおおらかに楽しみたい」(浅沼)と書かれている。プリ側は味が濃いよう。まぁ欲を言えばC38のほうがよかったけどマッキントッシュの中古って未だに高いから手が届かない。…なんであんなに高いの。(C38は'96年発売。定価38万円。1ドル80円台の円安だった時期の製品で海外製品が2割近く安かった。ステサンのベストバイではスピーカー以外の部門でも海外モデルがほとんど上位を占めていた。)













 オーディオをタイプ別にわけてみると
 @ AccuphaseやB&Wのような素材の味を出せるもの
 A GoldReferenceやROTELのように虚飾でない本質を求めたもの
 B YBAやWAZOOのようにオーディオ芸術としてのもの
 C QUADやTANNOYのようにリスナーに向かって演奏・演出するもの
 D JBLやATCのように圧倒的な音圧やスタジオ魂の込められたもの
 こんなもんか。
 マッキントッシュはDかな。Bとしたらば芸術ではなく工芸って感じか。
 感覚は純粋であくまで正しくヒューマンだ。高域はあくまで嫌な音を出さず、低域からはマッキンの風味が煎り薫る。ローエンドからハイエンドまで心によく馴染む音だ。あえて英語使ってみるとdissolve a pure tone in sense ってかんじ。
 中域も産まれたてのようでこれは北京原人の聴覚の域に達している。声聞くだけで性格がわかるというか。電子音には意識があってフルートはトークしているというか、メロウでコクがあってGourmais.(なんて単語があるかどうかは知らないけれど)。しかし女性ヴォーカルは媚びてない。それでも余計に魅力的なのがすごいことです。
 この再生音は聴き手を惹きつける。リスナーを引き込むわけでなくリスナーが引き寄せられる。アメリカンな比喩を使えば「私はダッグの匂いに誘われたビーグルのようだ」。新世界の地平線が広く、太陽のおおらかさにうっとり。生きるなんて余裕なこった。ぶっちゃけこの中には高域とか低域とかそういうのはありません。この楽音が〜〜なんてそんなピンポイントな意識をさせないでいてくれる。重く涯しない咆哮を、自分の胸の奥底からひきずりだす。すべてが余裕のうちにある。到着した日ずっとうれしい気分だった。落ちついて高揚してた。うれしさの形はオーディオによって違うもんだ。
 スピーカーが2万、プリが9万っていうアンバランスっぷりだけど、20万でここまでの音が出せたということに満足。全面的に委ねられる。猫が腹を見せて寝転ぶのは信頼しきっている証拠。脱力だ脱力、それがウエストレークとかクレルにも共通するアメリカンなフィーチャー。






SR画素のF710は明暗と色乗りがよいので、こんなにヒューミッドなマッキンのクリアガラスになる。

 テレビやビデオは外形で、画質は皮相で、本質にあるのは映像である。オーディオは外形で、音質は皮相で、本質にあるものは音響である。オーディオはHiFi追求したリアリティーやAVアンプのような快適さではなく、音楽の本質を伝えようとするものがいい。
 マッキントッシュはその辺よくわかっている。パソコンでも同じだ。「アップル社の創業者達は、あのブランドを、かのオーディオのマッキントッシュ社に使用権料を払ったほどこだわったんです。」(STEREO SOUND 創刊30周年記念特別号 P67)
 このデザインはやっぱすごい。エレクトロコンパニエの黒いアクリルは実はただの透明なアクリル板を裏から黒く塗っているだけのようだけど、マックはガラスのブラックパネル。かっこよいので部屋の照明つけていたいけど証明を落としてもイルミネーション綺麗。惚れ惚れと眺めていて音楽から受けたエネルギーの行き場所に困らない。自分の念によってフロントのガラスが割れたり、緑のランプが切れたりしないか不安になるほどだ。マックはアニミズムを大事にしている。実際所有してみて喜びが増してくる。トーンコントロールを外さない。C710はTREBLEとBASSとラウドネスだけだけど、このラウドネスが結構飽きない。ON/OFFスイッチの電源の入り方と落ち方もまたしびれる。マッキントッシュは音から操作性まで一眼レフみたい。生きた機械だ。ライカみたいに色再現に奥行きがあって活き活きとしてる。




















すぐ倒れる
エアコンのリモコン
立てるのに苦労した





 


屋根裏




屋根裏の温かさにマッチしてこの部屋でストレッチやってると気分いい

 エレキットを自分の部屋にもっていきそこで格安のシステムが完成。XA5ES+TU-875+RB-980BX+ROTEL DOMUS。ローテルドーマスは少々かび臭いがすごい音がでる。三次元的なんです。後頭部から聞こえるって、どういう仕組みなんだ?
 上に乗っているのはMusicGalleryのA5サイズのもの。NXT方式。音が遠くまで届くらしくリアやセンターとして使うといい。キャラクターが弱く自然で、スピーカーの存在が目立たない。TU-875の右にはMusicGallery専用のアンプがある。小型でプラスチックの外装で非常に軽い。これを同時に音出すと不思議に逝けてる。輪郭が水彩のボールペンのように水にふやけていて朴訥で高域の伸びが少々物足りないなぁというドーマスは、NXT方式のMusicGalleryとうまく綜合される。
 スピーカー数を増やすと、普通だめだめになる。クリアになったりするのはよいがなぜか目の前に音像が浮かぶようになったり。音はコヒーレントじゃないのでバランスが崩れるのは当然で、硬質になったりコクや彩りまでもがキャンセルされてしまう。アコースティッククロスストロークがどうのこうのの問題で、生理的にだめになってる。しかしこの場合はNXT方式のメリットなのか、ドーマスが自然に伸びやかになっている。
 MusicGallery単独では長時間は音楽が聴けない部分あるけど、脇役として控えめの音量で使うとなかなかよい。以前AVアンプ使っていた時MusicGalleryをセンター&リアにすれば自然でよいと思った。なぜなのかわけわからないけど、音をキャンセルしにくいのかな。MusicGalleryなんて店には置いてないがヤフオクとかでたまに安くみかけるので、AVでシステムを組む人にはお勧めだ。5000円ぐらいだし。絵も綺麗だし。












 ダイニングにはぬくもりがほしいと思っていた。
 このまえの大晦日、蛍光灯に暖色タイプを入れたら、部屋の雰囲気が温かくなった。満足した。音の変化は不思議なもんだ。部屋の材質なのか形状なのかわからないけど温かそうな部屋では温かい音が出る。気がする。暖色のやつは外側に使って、内側の30型はテーブルにあわせてナチュラル色にした。クリアタイプのほうが明るいからね。二種類の蛍光灯によって色の幅が広がった(加法混色)。オーディオではなかなかそうはいかないので感動した。二種類の蛍光灯使うのはお勧め。(メーカーもナショナルと東芝)。蛍光灯+電燈というのはベストだろう。ナショナルのWARMはまぁまぁ好きな色だけど、どうしても電球のあたたたかさには負けるから。水野ちゃんは間接照明やってるとか言ってたな。すごいわかってると思った。





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