2011年03月03日の御神籤


熱田神宮

最後の余波か
6回連続


あの子と最後に会えたのは3月1日だった。僕は卒業式の日は三年生はいつもの電車にいない事を知っていた。去年、三年生の肉食系女子の四人組がいなかったから、その子らに最後に会えたのが卒業式前の日で感傷的になった。
3月1日はいつもの時間の最後の登校日だった。二週間ぶりの登校日になった。僕はあの子の方には乗らず、一歩離れた位置に立っていた。あまり近くに寄って幻滅された最後を送りたくないから。遠目でいつも見られてた。遠くからいつもお互いを探しあっていた。だから最後はいつもどおりの電車でいようと思った。でも自然でいられるはずもなかった。あの子も挙動不審だった。
卒業の日にうまく渡せるチャンスがあることは、ずっと前から迷いの中に知らされていた事だけど、それを裏切った。

あの子は、車両を降りようとしなかった.. 駅のホームに電車が止まり、生徒はぞろぞろと降りゆく。

その日はホームのほうが明るく光っていた。
でもあの子はドアが閉まる最後の最後まで、車両の中をしどろもどろして歩いていた。僕のことを待っているようだった。
再度車掌さんに降車を促す笛を鳴らされて あの子はせつなげに降りていった。
その最後の姿を僕は永遠に刻むことになった。

このあとはもう鬱病の世界になるしかなかった。あれから一年経つけどトラウマになっている。