海洋表面の70%は、海洋によって覆われています。海洋は陸地と同じように、太陽光、雨水、大気が存在し、その表面は陸地とほとんど変わりません。しかしながら、海洋における水産物(バイオマス)の生産性は、陸地と比べて極めて低い状態にあります。 この海洋表面を陸地のように効率的に利用することができるとしたら、地球環境を救うことができるでしょう。 なぜ、ホテイアオイを利用するのか? ホテイアオイと聞いて、金魚鉢の水草や、熱帯地方の水路にはびこる雑草を、みなさんは思い浮かべるでしょう。ホテイアオイには水の浄化作用があり、汚れた湖などの浄化に利用できます。また、その強い繁殖力と生命力には驚くべきものがあります。このホテイアオイは、海洋表面でのバイオマス生産植物として最適です。 どのように海洋表面上を使用するのか? バイオマスは量が勝負です。水路で生い茂る草では量が不足です。貴重な農地でバイオマスを生産するのは贅沢です。海洋表面に巨大なプールを浮かべそこでホテイアオイを栽培します。プールを合成樹脂製にすることで耐久性及び経済性を満たすことができます。プールに降り注ぐ雨水は、ホテイアオイの栽培に使用するとともに、余剰の雨水は工業用水として利用されます。 南太平洋のラグーンが生産基地に 赤道付近の地域は、台風がないことで知られています。琵琶礁で囲まれたラグーンは海洋の荒波を受けない静かな海面となっています。初期のバイオマス生産はラグーンから出発し、その後技術の改良をまって、海洋へ移動していくことになります。 ラグーンでのバイオマス生産は経済的 プール1ヘクタール(約1町、100m四方)1年間で乾燥ホテイアオイ100トンと5000トンの工業用水を得られます。乾燥ホテイアオイは通常の牧草よりも粗蛋白の多い高品質牧草です。また、ホテイアオイを発酵させることにより、約12トンのメタンガスが得られます。南太平洋のラグーンは現代社会に欠かせないメタンガス、工業用水及び飼料の生産基地となるでしょう。 このような、海洋表面の有効利用は、地球環境を救う方法だといえるでしょう。 |