ステレオサウンド 30TH Anniversary 1996 巻等座談会 「ブランドの価値」を語る より |
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松山 | カメラって明快で面白い。あくまで道具だから、いくら集めても撮らなきゃ意味がない。 |
徳大寺 | ライカは、ポルシェに近いと思うなぁ。小さくて、重たくて、クオリティが高い。 |
菅野 | いや、僕はコンタックスのほうが近いと思うね。 |
松山 | 僕が買い物として一番感激したのは、実はライカを買ったときでした。オフクロが死んだときに、僕は葬式をだしたんですが、思いがけないことに、オフクロが入っていた保険が出てきたんです。それで、欲しくてたまらなかったライカVfを買っちゃたんです。まあ、写真が撮れる形見ですね。 |
徳大寺 | 僕も、ライカが欲しかった。M3、M4と買っていって、次に二眼レフのローライ2・8F、それから昔欲しかったコンタックスUを買ってみたら、よく働いてくれました。 |
菅野 | 僕はずっとコンタックスでした。一度ライカのSLを買ったことがある。あれは一眼レフへの興味からでしたが。 |
松山 | 今のカメラって、カメラが勝手に撮ってしまうでしょ。あれがつまらなくって。 |
菅野 | 結局、これからのカメラはデジタルカメラに行き着いてしまうのかな、クオーツ式時計と同じ運命を辿って。それでもいいんですが、ハイテクが人間の主体性を奪うようではいけないと思います。これからは、聴く人間の主体性をどう回復させていくか、というのがオーディオのテーマだと考えています。 |
S602はFUJIFILMらしく、ハイテク一筋縄なデジカメ。一眼風情の筐体をしてるのに、カメラが勝手に撮っちゃうの。ミノルタのディマージュ5を三年前に使ったのもあってか、S602は非常に物足りなかった。あちらは露出とか調光とかアルゴリズムとかいちいち計算して撮影しなくてはならなかったが、その分愛着が湧いた。 |
S602の理想に沿わなかった点 ・ズームがレンズの回しで操作できない。回しはフォーカス用。 ・起動時38mmからなのも頷けない。 ・この当時のフジフイルムはパソコンに転送すると画像ファイルのNoが.0000からに戻ってしまうんだった事を想いだした。これでは前転送したファイルが誤って上書きされてしまう恐れがある。 ・色再現もこの時期の富士は微妙なことが多いのだった。この停滞期に富士離れした人も多いだろう。 ・設定項目が少なすぎる。 |
S602の良いところ ・肌触りが良好、外装の仕上げが高品位。 ・単三電池で駆動。 ・CompactFlashとSmartMedia両方が使える。 ・レスポンスよく使い勝手がよい。 ・レンズキャップつけたまま電源入れてもいい。あとから取れる。 ・ズームのスピード感が絶妙。すぐに高速移動に入り、元の位置に戻すのもすぐ。 ・フラッシュの調光、オートのホワイトバランス撮影などほどよい塩梅で、カメラ初心者でも難無く使える。 ・暖色的な色再現。血色がある。人物の健康的なフジカラー。 総括するとミノルタとは対極的な一眼だった。 |