白トビの世界
空はほとんど白く大地の草の色は乾燥している。
枯れ葉や牧草は山吹色を通り越して檸檬色である。
この世界の湿度は5%未満だと容易に想像つく。
群青、水色、ダークブルー、そんな浮ついた色は別世界のものである。
誰もいない建物の壁は白くなっている。
炎天下、気温は55℃ぐらいか。
木の葉は緑色ではなくて黄緑色だ。
少なめの葉緑素から察して空気が薄い。
標高4000mぐらいだろうか。
幹は茶色ではなくねずみいろのかかったこげ茶色。
枯渇した土壌の水や栄養分を消費し過ぎないように少しずつ吸収する。
限られたエネルギーの中で気丈に生きる生命を実感できる。