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quadral クワドラル



QUADRAL A5+MONTAN[ W270×H1120×D448mm 質量40kg

Player: LUXMAN D-08
Amplifier: QUADRAL A5
Speaker: QUADRAL MONTAN[
CABLE:REALCABLE

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今年のオーディオフェスタで個人的に心に残ったのはこのQUADRALのブースだった。QUADRALのスピーカーはビッグカメラで試聴をして、今までずっと偏見の目で見ていたので。こんな無機質なデジタルサウンドのどこがよいのだろうと。でも浅はかな料簡だった。ビッグカメラで鳴らせばすべてが3割引の音になってしまう。QUADRALはちゃんと鳴らせばクールでさっぱりした音なのであった。ゴリッとカラリと晴れていて割れそうなほど硬派なドイツサウンド。管弦楽を再生しても電子音楽を再生しても変わらない。さすがはナチスの国で、日体大の「集団行動」のようにビシッと揃ってる。イギリスはこのドイツの音を嫌うみたいだけど、ドイツ国内では一番売れてるブランド。それも頷けるようになった。文化の違いでしかない。自分は今まで甘美でメロウでhumidな音ばかりを求めていたけどこのようなドイツサウンドも初めて良いと思えた。デモのはじめ20分ぐらいは僕しかいなかったから席を立てずにそこに居たけど、その間にQUADRALが好きになっていた。縁に導かれたのかもしれない。タンノイだけがクラシックじゃないと思えた。
この日はアンプもQUADRALで鳴らされてた。QUADRALのアンプなんて珍しい。A5とA3の二機種があって外見は共通。出力と重量のみが違う。カチッとした音のプリメインアンプだった。コヒーレントで透明な音で方向性としては日本に近いけどきっかりドイツの音。温かみを求めた北欧の音とは違いまさに冷たい音で今や日本では珍しいと思う。音色としては小田和正の曲が合っていた。その曲想の冷たさ加減に。MONTAN[は次の日SPECのRSA-F1でも鳴らされていた。SPECの淡白でハイフィデリティーな音と方向性が近くてQUADRALとそこそこマッチングしていたけど、QUADRALのアンプはSPEC以上に快感だった。RSA-F1に比べれば階調性は落ちるもののQUADRALのスピーカー専用機と見ても良いような鮮烈な音だった。それが決してハーシュではなくドイツ的な美意識で結晶化している。すっけらかんとして爽快。媚びてない音だけどずっと浸っていられる音で鳴っていた。
輸入代理店ネットワークジャパンの人はQUADRALの製品の紹介より、自分が持ってきたディスクを紹介している時間が長くその話が面白かった。音楽好きな人が勤めているのであった。この方の説明がいい。曲目はヴェルディのレクイエム。





AURUM ORKAN VIII と AURUM VULKAN VIII と
AURUM ORKAN [ & AURUM VULKAN [

モデル・価格一覧
AURUM MEGAN VIII \270,000
AURUM ALTAN VIII \360,000
AURUM WOTAN VIII \500,000
AURUM ORKAN VIII \800,000
AURUM MONTAN VIII \1,300,000
AURUM VULKAN VIII \2,000,000

ウーファーはメタルコーン。ALTIMAという材質はALMINIUMとTITANIUMとMAGNESIUMを独自に配合したもの。カタログスペックを見るにVULKANは32cmALTIMAウーファーが幅29cmのキャビネットに、MONTANの27cmのALTIMAウーファーは幅28cmのキャビネットに収められている。・・・?
どうやって搭載されてると思いきやキャビネットの中で斜めにマウントされているのだった。オーディオファン的にそれはどうなのと思ったけどこのウーファーはプレッシャーチャンバーテクノロジーでコンピューター解析と徹底したヒアリングでコントロールされているようだ。キャビネットは楽器にはされてない。堅牢な牢獄の柵の中から出てくる低音はカラリとしたQUADRALの音を変えずに支えてる。その柵は触れると柔いゴム紐みたいな素材だったので中から出られてしまうけど、この無骨なデザインもまたドイツ的。QUADRALのスピーカーは雑誌でも映えるデザインではあったけど、僕は「デザインにコストがかけられてる」・・・とか心得のない事を考えてた。QUADRALの音の方向性を知らないとAURUMシリーズのせっかくの趣向も暖簾に腕押しになってしまう。





RHODIUM20/WC 珍しくリン型じゃない
RHODIUM20 \120,000


MONTAN [を聴いた別の人は感動して「ほかのところ行ってないでここにも来たらいいのに」と言っていた。Network Japanのショーブースは人が少なく、ドイツサウンドの人気のなさを物語っていたが、かといって日本人に最も受け入れられる馥よかな音色を醸してるTAOCのブースにも人気がなく、日本人よくわからない。






MEGAN 8 のデモ (デッキ:QUADRAL C3 or C5+SPEC RSA-F1)
AURUM MEGAN [のデモ

右クリック→保存 Megan(メガン)の音 右クリック→保存→再生 最後だけ録音レベルが合う

MEGANの音はMONTANの音から黒い堅牢の牢獄から出てくるドカスカな低音をそのまま抜いたような音で、音を体で感じる快楽はないけど、ニアフィールドで音色を窘める聴き方ならMEGANでも十分だと感じた。これを一緒に聴いていた人は「よく鳴るねぇ」と感心していた。リボン型ツイーターとの2WAYだが、クロスオーバーをMEGANは3000Hz、ALTANは2400Hzまで下ろし、かなり広い帯域をリボン型ツイーターに任せている。それによってウーファーの挙動を楽にしている。
QUADRALは80年代のターナスサウンドから脱却したフラットな音の良さで高い評判を受けたようだが、依然として曖昧な要素を嫌ったリニアな音である。ALTIMAの振動板は「高い剛性による明瞭な音とじゅうぶんな帯域の確保、そして発生する特定のキャラクターを単一のモードに集約し、その部分を除去することでクリアーな音色を得ている」ようだ --『SS INTERVIEW』。合理的というか先進的というか、発想がドイツ的なので音もドイツ的になるのかな。日本的な奥ゆかしさはないが瑞々しく乾燥もせずにカラリと鳴らし分ける様は雨蛙のよう。帰り道にウォークマンを聴くとQUADRALの爽やかなトランジェント特性が聞き取れる。オーディオフェスタに行き、僕のウォークマンの音が良くなった。これは錯覚なのだろぅか?いやそうとも言い切れないかも。モノは大切にしていたら壊れないし、売ろうと思うと不調になる。森羅万象の現象はよく解らないものです。どっちにせよ良いものの影響を受けてることはたしか。




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